2012年5月16日水曜日

同化男性ステロイドの使用実態 in USA

Anabolic androgenic steroids: a survey of 500 users.
Med Sci Sports Exerc. 2006 Apr;38(4):644-51.
Parkinson AB, Evans NA.
Department of Orthopaedic Surgery, Harbor-UCLA Medical Center, Torrance, CA 90007, USA.

PMID:
 16679978




題名:同化男性ステロイド(AAS):500人のユーザーの調査

目的:筋肉の大きさや強さを強化する同化男性ステロイド(Anabolic androgenic steroids, AAS)を
使用することが蔓延している。治療目的外で競技のパフォーマンスを向上させたり身体的な
見栄えを改善するためのAASの服用状況については、よくわかっていない。
本研究の目的は、AASユーザーの薬剤の服用状況の現況を調査することである。

方法:AASユーザーのなかで有名なインターネットウェブの掲示板に、匿名で自己記載の質問を
ポストした。

結果:調査に参加した500人のAASユーザーのうち、78.4%(392/50)が非競技のボディビルダーや
非アスリートであった。59.6% (298/500)は、週に1000 mgのテストステロンかそれと同等品を
服用していた。AASユーザーのほとんど(99.2%, 496/500)は、AAS自己注射であった。
13% (65/500)は、注射針の再利用・注射針のシェア・複数回分の薬剤が入っているバイアルを
他人と共有するなどの危険な注射方法を行なっていた。それに加えて、25%のユーザーは
同化効果を期待して成長ホルモンやインスリンなども使用していた。
また、99.2% (496/500)のユーザーは、AAS使用による副作用と思われる影響もでていた。

結論:この調査で、治療目的外でのAAS、の使用に関して幾つかの傾向を明らかにした。
おおむね5人に4人の割合でAASユーザーは非アスリートであり、美容のために薬剤を
服用していた。本研究サンプルのAASユーザーはかつて報告されていた調査での量に
くらべて多くの量を服用していた。つまり、研究参加者の半分以上が週に1000 mg以上の
AASを使用していた。ステロイドユーザーのほとんどが、AASを自己筋肉内注射で
使用しており、10人に約1人の割合で危険な注射方法を実行していた。95%以上の
AASユーザーで多剤併用が確認され、4人に1人は成長ホルモンやインスリンを
使用していた。AAS使用者のほぼ100%が、副作用と思われる影響をうけていた。



(感想)

前回に引き続き、同化男性ホルモンAASの使用状況について。
前回と同様にアメリカからの報告です。

前回の報告は、AASによってどんな影響があるのかを中心に調べられていたが、今回の報告は、
AASをどのように使用しているのかに焦点をあてているようです。やはりインターネットを使った
アンケート調査です。この方法は、安価でイリーガルなものでもデータを集めやすいという点で
利点がありますが、ポピュレーションが偏る危険性もはらんでいますので、そのあたりを考えつつ
読み進める必要があります。

前回のものと同様にAASユーザーの7-8割は、非アスリート系の人のようです。つまり、AASを
使用している人のほとんどが、娯楽的に(リクリエーション的に)スポーツをしている人ということです。
2つの報告でほぼ同じ値なので、アメリカではこのくらいの数字なのでしょう。

そして、自己筋注。おそらく医療関係者からの指導などないと思うので、なかなか怖いです。
案の定13%の人は、むちゃくちゃな手技です。
知れば知るほど、恐ろしい実態が浮き彫りになってきます。

スポーツファーマシストの仕事の一つは、このようなことが恐ろしいことなのですよと一般の方に
啓蒙することですので、なんかしなきゃなぁと思いました。


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