2012年5月12日土曜日

クレンブテロールの食品中への汚染

Clenbuterol - regional food contamination a possible source for inadvertent doping 
in sports.
Drug Test Anal. 2012;4:534-538.
Guddat S, Fußhöller G, Geyer H, Thomas A, Braun H, Haenelt N, Schwenke A, Klose C, Thevis M, Schänzer W.
Institute of Biochemistry and Center of Preventive Doping Research, German Sport University Cologne, Germany.



PMID:
 22447758



題名:クレンブテロールー食物汚染はスポーツにおける不注意なドーピングの原因か?





交感神経様作用と同化作用を持つクレンブテロールの誤使用は、プロスポーツ界や家畜業界で
頻繁に報告されてきている。2010年、中国の大会に参加し帰国したアスリートチームのドーピング
コントロールサンプルを2日以内に提出させたところ、すべての尿サンプルにおいて、pg/mlレベルの
低レベルクレンブテロールが検出された。これは、よく知られた問題に対しての警告を発している、
つまり、食物から予期しないクレンブテロールを摂取している可能性についてだ。中国産肉は
国際アンチ・ドーピング規則に反する物質で汚染されているかもしれないという警告は、2008年の
北京オリンピックの直前に中国から発表された。尿中にクレンブテロールが検出されうるのかを
検討するために、中国から帰国した28人のボランティアから尿サンプルを収集し研究を行った。
pg/mlという低いレベルのクレンブテロールを検出するために、specific isotope dilution 
LC-MS/MSを用いた方法を開発した。本方法は、日内変動2.9-5.5%、日間変動5.1-8.8%、
精密さ89.5-102.5%という正確さが保証されていた。クレンブテロールは、分析されたサンプル
のうち22サンプル(79%)で検出された。中国の家畜業界でクレンブテロールは公式に禁止されて
いるものの一般的な中国の食物は汚染されていることが示唆された。



(感想)

”1980年代にクレンブテロールおよびその塩酸塩に成長促進作用があり、また食肉の赤身を増やす効果があることが分かり、畜産業界で、飼料に混ぜることが行われた。しかし、人体への副作用も大きいため、EUは1988年に、アメリカ合衆国は1991年に、中国1997年に餌への添加を禁止した。しかし、中国ではいまだにの餌に違法にクレンブテロール塩酸塩を配合している例があり、中国国内ではたびたび中毒事件が発生している。”(Wikipedia、クレンブテロールの項より抜粋)

クレンブテロールの商品名は、スピロベントです。

beta2作用を期待して喘息などに用いる薬ですが、家畜業界では同化作用を期待して乱用されているようです。beta2アゴニストはすべからくこの同化作用を有しているようですが、クレンブテロールは特に強い同化作用を示すようで、家畜業界で使いたがるのもわかります。つまり、クレンブテロールを餌にいれることによって、家畜の成長が促進されるので経費削減になるのでしょう。

Wikipediaの説明のように、クレンブテロールを畜産に使うこと自体が違法ですが、どうやら2012年の検討ですらまだクレンブテロールに汚染された食物が中国には蔓延していそうな結果です。しかも少量とはいえ、尿中から検出できる量ということは、口にいれている量も結構多そうですね。

このような国は中国だけではありません。メキシコなどもそのような報告があるようです。国内におけるそのような国を原産国とした肉類は、一応クレンブテロールが入っているかチェックはされていますが、全例チェックではないので、注意が必要かもしれません。

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