2012年5月26日土曜日

カフェインは持久力を増やすのか?

The effect of different dosages of caffeine on endurance performance time.
Int J Sports Med. 1995;16(4);225-30.
Pasman WJ, van Baak MA, Jeukendrup AE, de Haan A.
Department of Human Biology, University of Limburg, Maastricht, The Netherlands.
PMID: 7657415


題名:耐久力に対するカフェイン摂取の効果

耐久性が求められる競技におけるカフェイン(0, 5, 9, 13 mg/kg body weight)の効果を検討した。9人の良く訓練された自転車競技者(VO2max 65.1 ± 2.6 ml/kg/min)が本研究に参加した。カフェインカプセルをランダムな順番でダブルブラインドで投与するクロスオーバー試験である。被験者は、1時間前にカプセルを経口投与され、電磁気的にギアを重くしたエルゴメーターで80%のWmaxになるまで自転車を漕いだ。運動テストの前後と最中で採血し、血液サンプルを得た。すべてのカフェイン投与においてプラセボに比べて、耐久力の増加がみられた(カフェイン0つまりプラセボ、47±13秒; カフェイン5、58±11秒;カフェイン9、59±12秒;カフェイン13、58±12秒)。3つのカフェイン投与群では有意差がなく、カフェインによるdose-dependency(投与量依存性)は見られなかった。プラセボに比べカフェイン投与群では、遊離脂肪酸とグリセロールの血中濃度が増加していた。運動テスト後の尿中カフェイン濃度は、5 mg投与で4.8±1.8 micrograms/ml、9 mg投与で8.9 micrograms/ml、13 mg投与で14.9 micrograms/mlであった。5 mg投与群のみ、国際オリンピック委員会で定められている尿中カフェイン濃度12 micrgrams/mlの基準を全員が下回っていた。以上より、カフェインは耐久力を上昇させることにより、運動能力を向上させると結論される。本研究で検討されたカフェイン投与量内では、カフェイン投与量と耐久力には相関が見られなかった。



(感想)

本論文は1995年に掲載されているので、2012年のWADAcodeは適応されていません。2012WADAcodeでは、カフェインは監視プログラム(興奮薬:競技会時のみ)に掲載されており、禁止されていません。そのため、後半にでてくる国際オリンピック委員会のくだりは、現在には適応できません。

カフェインを投与すると、カフェイン投与量依存的に尿中にカフェインがでてくるけども(当たり前ですが)、投与量依存的には耐久力の向上は見られないようです。これを単純に解釈すると、カフェインによる耐久力の向上には天井効果があり、「これ以上のんでも耐久力が向上しない」という量があるのかなぁという感じです。つまり、もっと少ない投与量でのませたときには、投与量依存性がでてくるけども、今回の投与量ではいずれもすでに耐久力向上という点で飽和量であった可能性が指摘できると考えます。

一般に薬理学的な解析を行う場合、投与量依存性がないというのはかなり致命的な欠陥をもった結果と解釈されかねません。ですので、この結果の解釈は非常に難しいです。

参考までにカフェイン量について、http://h20513.wilbo.jp/2009/08/06/%E9%A3%B2%E3%81%BF%E7%89%A9%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%95%E3%82%A7%E3%82%A4%E3%83%B3%E9%87%8F/を参照すると、どうやら5 mg/kg(最小投与量)は、50 kgの方にとってコーヒー2.5杯分ということです。有意差がでやすいような実験計画をたてたいという気持ちはわかりますが、生活に基づいた投与量を考えるのならば、もっと少ない投与量もやるべきだったでしょう。いや、私がコーヒー飲む習慣がないからそう思うだけでしょうか・・・。

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