2012年5月12日土曜日

同化男性ステロイドの使用状況 in プエルトリコ

A ten-year assessment of anabolic steroid misuse among competitive athletes in Puerto Rico.
West Indian Med J. 2011 Oct;60(5):531-5.
Acevedo P, Jorge JC, Cruz-Sánchez A, Amy E, Barreto-Estrada JL.
School of Medicine, Department of Anatomy and Neurobiology, Medical Sciences Campus, University of Puerto Rico, San Juan, Puerto Rico 00936.
PMID: 22519228 

題名:プエルトリコにおける、アスリートの同化ステロイドの誤使用の10年間調査

目的:カリブ海地方における同化男性化ステロイド(anabolic androgenic steroids; AAS)の誤使用に関して、よくわかっていない。本研究では、プエルトリコにおけるアスリートのAASの使用状況を検討した。

方法:2000-2009年の期間のスポーツ大会からランダムサンプリングされたアスリートの薬物テストの結果を解析した。ドーピング試験は、Centre for sports, health and exercise sciences (Albergue Olimpico, Sanlinas, Puert Rico)により行われた。この期間中に550人のアスリートがモニターされた。陽性の結果の場合、スポーツの種類と性別と使用されたAASの種類の情報を収集した。

結果:過去10年分でモニターされた総サンプルのうち、5.4%に不運な結果が示された。ASSの誤使用は、男性(62%)と女性(38%)の両方のアスリートに検出された。ウエイトリフティングでのAAS陽性率がもっとも高く、すべての陽性のケースのうち70%を占めた。また、stanozololが外来性アンドロゲンの誤使用でもっとも頻度が高かった(stanozololのみ、もしくは、アンドロゲンカクテルとして用いたものも含めて、60%を占めた)。内在性アンドロゲンとしてもっとも使用されていたものはテストステロンであった(すべてのケースのうち、10%を占めた)。

結論:プエルトリコでは、スポーツや性別にかかわらずAASが検出された。プエルトリコのアスリートにおけるAASの誤使用は、世界的な傾向に沿っていたが、カリブ海におけるAASの誤使用問題は緊急に対処しなければならない。



(感想)

AASは、同化作用を持つアンドロゲンのことを指します。同化とは、ざっくりと解説すると、体に栄養をたくわえる(筋肉を増強する)作用のことです。その逆は異化作用といい、体内のエネルギー物質を代謝することによりエネルギーを抽出する作用です。

ウエイトリフティングは、まさに筋肉勝負な競技なので、国際的にAASの使用頻度が他の競技よりも多いようです。しかし、AASの常用は健康に極めて悪いです。長期の常用により心不全をおこすことが明らかになっています。また、女性の場合、見た目に男性化します。

十年間で550人のうち5.4%が陽性ということは、25人位ですね。ということは、年に2-3人くらいです。このような研究は観察期間を長くとらないと、まとまった結果が得られず、研究と成立させるのはなかなか困難ですので、この論文は貴重なデータを提示したと言えます。

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