2012年8月2日木曜日

長距離移動で、生体パスポートが変わるのか?

The impact of long-haul air travel on variables of the athlete's biological passport.
Schumacher YO, Klodt F, Nonis D, Pottgiesser T, Alsayrafi M, Bourdon PC, Voss SC
Department of sports medicine, University of Freiburg, Freiburg, Germany.
Int J Lab Hematol. 2012 e-pub
PMID: 22805050

題名:長距離の飛行機移動における、アスリートバイオロジカルパスポートの変化

はじめに
飛行機移動中におきる血液凝集能に関して、脱水や体液移動や体液変化は血液学的な変化を起こしうる。アスリートは、これらの効果がスポーツのパフォーマンスを損なったり、栓塞症のリスクを上昇させたり、血液検査が異常値になって、アンチ・ドーピングにおいて血液検査をモニタリングしている「Athlete's biological passport (ABP)」で間違えてドーピングと判定されるかもしれないことを心配している。本研究の目的は、アスリートが長距離の飛行機移動する前後にABPが変動するのかを検討することである。

方法
15人のアスリートを対象として、8時間の飛行機移動の前後の朝にABP血液サンプルの提供を受けた。さらに飛行機移動の3日後、6日後の朝にも血液サンプルの提供を受けた。12人の飛行機移動をしていない方々にもコントロールとして、サンプルの提供を受けた。

結果
ヘモグロビン値は、アスリート群で飛行機移動後よりも前のほうが高かった(+0.5 g/dL, P-0.038)。似た傾向が飛行機移動後3日間でも確認された。コントロール群では変化がなかった。赤血球%は、アスリート群もコントロール群も変化が見られなかった。

結論
検出された変化は、日中の通常の変動内である。そのため、飛行機移動は血液検査に影響を与えず、血液ドーピングとして間違えられないだろうと考えられる。




(感想)

飛行機に長時間乗ると、水分もとりづらいですし機内も乾燥していますので、血液が濃縮されて血液検査値に影響があるのかもなぁと考えていましたが、それを検討したものです。

結果として、飛行機移動によりヘモグロビン値が低下するようですが、日中変動内程度の変化で、大きな変動ではなく、ドーピング検査には影響しないだろうという話でした。面白い切り口の研究で、なるほどなぁと思いました。

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