2013年10月10日木曜日

beta2アゴニストは自転車競技においてパフォーマンスをあげるのか?

Inhaled salbutamol does not affect athletic performance in asthmatic and non-asthmatic cyclists.
S. Koch, M.J. Macinnis, B.C. Sporer, J.L. Rupert, M.S. Koehle
Br. J. Sports Med. 2013
PMID: 24100289

題名:吸入サルブタモールは、喘息・非喘息自転車競技社においてパフォーマンスに影響を与えない。

背景:サルブタモールは喘息のあるなしで、呼吸機能や運動パフォーマンスに異なった影響を与えるかもしれない。
目的:吸入サルブタモールの肺機能への影響を比較するために、EVH challengeに陽性であったアスリートと陰性であったアスリートの、自転車運動中の運動パフォーマンスや呼吸機能を検討した。
方法:クロスオーバーRCT試験。EVH陽性14人、陰性35人、計49人のwell-trainedな男性アスリートに対して、サルブタモール400ugまたはプラセボ吸入一時間後、エルゴメーターにて10kmのタイムトライアルを行った。吸入直前と吸入後30分において呼吸機能を測定した。
結果:サルブタモールの吸入によって、プラセボと比べて顕著な肺機能の上昇が見られたものの、運動パフォーマンスには影響を与えなかった。喘息・非喘息ともに有意な差は見られなかった。
結論:喘息・非喘息にかかわらず、サルブタモールの吸入は肺機能を顕著に上昇させるが、運動パフォーマンスの改善にはつながらなかった。EVH challengeの結果に関わらず、サルブタモールは肺の換気機能や運動パフォーマンスに影響を与えなかった。

EVH challenge: スポーツ喘息を診断するための指標。




(感想)

ここ数年beta2アゴニストに関するWADA規定は、緩和傾向にあります。もちろん禁止されているものもありますが、その閾値が引き上げられてきています。その根拠はbeta2アゴニストが、思っているよりはパフォーマンスに影響を与えないということなのでしょう。明らかに肺機能が上昇してもパフォーマンス自体が変わらなければ、禁止する必要がないのかもしれません。WADAコードは規制のための規則ではなく、スポーツを公平に行うための規則であるという側面から考えると、極めて妥当な判断と考えられます。

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