2013年10月22日火曜日

クレンブテロール摂取の豚には、いつまでクレンブテロールが残っているのか?

Clenbuterol residues in pig muscle after repeat administration in a growth-promoting dose.
J. Pleadin, A. Vulic, N. Persi, N. Vahcic
Mead Sci. 2010; 86: 733-737.
PMID: 20667663

題名:成長促進作用が出現するクレンブテロール量を、ブタに反復投与した際のクレンブテロールの残渣

以下、要約。

クレンブテロールは、20 microg/kg/dayの投与で豚に対して同化作用を発揮する。
・この際のクレンブテロールの薬物動態はあまりわかっていない。
・20 microg/kg/dayを28日間、反復投与し、その直後・3日後・7日後・14日後においてクレンブテロールが豚の筋肉にどの程度、残っているのかを検討した。
断薬直後:4.40 +/- 0.37 ng/g
3日後:0.49 +/- 0.22 ng/g
7日後:0.10 +/- 0.02 ng/g
14日後:すべてのサンプルで0.1 ng/g 未満 = 検出感度以下。
・以上より、クレンブテロールを摂取された豚を食べる場合、豚がクレンブテロールを摂取後7日以内であれば、ヒトもクレンブテロールを摂取してしまう。

(感想)

クレンブテロールを家畜に摂取させることにより、食用家畜としての価値を上げることは国際的に禁止されています。なぜならば、クレンブテロールは加熱に対して耐性であるため、そのような家畜の肉を食した場合、クレンブテロールを摂取しているとも言え、場合によってはクレンブテロール中毒になるからです。

クレンブテロールの中毒症状は、主に交感神経刺激症状と言われるもので、頻脈や動悸、吐き気など多岐にわたります。

本邦でも、海外からの輸入食肉に対してクレンブテロールの検出検査をしているようです。

食品安全委員会のホームページ
http://www.fsc.go.jp/sonota/clenbuterol.pdf

食品安全委員会の情報によると、食肉中における最大残留基準値はおおむね、0.05-0.6 ng/gとされているそうです。

気管支拡張作用の無作用量は、0.042 microg/kg体重と記載されています。50kgのヒトの場合、2.1 microg以上の摂取で気管支拡張作用が出現すると解釈されます。

さて、今回の豚筋肉の残留量をみると、クレンブテロールを28日間投与した直後の筋肉では4.40 ng/g検出されています。この値は、行政が定めている最大残留基準値を大きく超えている値です。このお肉を200 g食べると880 ng =0.88 microg摂取することになります。無作用量が50 kgのヒトの場合で2.1 microgであることを考えると、そのヒトの感受性によっては薬効がでてしまうんじゃないかと思ってしまうくらいの量を摂取していることになります。


中国産肉を食べたことによってクレンブテロールがアスリートの尿中に検出されたという、ドイツからの報告があります。今回の報告を考えると、中国などの一部牧場では屠殺直前までクレンブテロールを摂取させ続けているのではないか?と考えてしまいます・・・。

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