2013年10月23日水曜日

毛髪からクレンブテロールを検出!

Hair analysis, a reliable and non-invasive method to evaluate the contamination by clenbuterol.
J.Y. Jia, L.N. Zhang, Y.L. Lu, M.Q. Zhang, G.Y. Liu, Y.M. Liu, C. Lu, S.J. Li, Y. Lu, R.W. Zhang, C. Yu
Ecotoxicol. Environ. Saf. 2013; 93: 186-190.
PMID: 23607973

題名:毛髪分析:クレンブテロール摂取を評価するための信頼性の高い非侵襲的手法

以下、抄録の要約です。

・食用家畜へのクレンブテロールの違法な使用が、今日どんどんと問題になってきている。
・毛髪からLC-MS/MSを用いてクレンブテロール残留を検出方法を開発した。
検出限界は、0.5 ng/gである。
食用豚にクレンブテロールを2週間、340 microg/day投与したところ、クレンブテロール投与終了後1-2ヶ月まで毛から高濃度のクレンブテロールを検出することができた。
クレンブテロール投与終了5ヶ月においても、豚の毛の先端から3.31 ng/gのクレンブテロールを検出できた。
上海在住のボランティアのうち60.3%から、毛髪においてクレンブテロールが検出された(0.05 ng/g以上)。
・以上より、食肉用豚やヒトの毛髪から高い信頼性でクレンブテロールを検出することができた。
・特に上海で供給されている食用豚はクレンブテロールに汚染されているリスクが高いかもしれない。


(感想)

中国の上海からの報告です。

クレンブテロール関連の記事が多いなぁと自分で書きながら思いますが、ドーピング問題を考えるときに絶対に外すことができない問題であると同時に、中国などでは社会問題化していますので詳しく知っておく必要があります。


以下は、平成21年の記事です。

「豚肉に赤身増加の禁止添加薬 中国紙が報道、広東で中毒も
23日付の中国紙、南方週末は、中国内の養豚場で、使用が禁止されている動物成長促進薬クレンブテロールやラクトパミンが飼料に混入されていると報じた。2つの薬物は中国で「痩肉精」と呼ばれ、脂身を抑え、赤身を増やす効果がある。今年2月に広東省広州市でクレンブテロールが残留した豚肉を食べた70人が食中毒となる事件が発生したが、同紙は一般の養豚場でも広く使用されていると示唆。有害物質メラミン混入で健康被害を起こした粉ミルクと同様に社会問題となる可能性もある。小規模の養豚農家ではクレンブテロールを、大規模養豚場ではラクトパミンを飼料に混入させているという。ある養豚業者は同紙の取材に「(痩肉精の使用は)業界の隠れた常識」と語った。」 http://www.tsukishiro.com/html/2009/6-17-1.html より引用。

中国においては、クレンブテロールの家畜への投与は「隠れた常識」とされているという話です。

そこらへんの背景から、この研究チームはクレンブテロールの検出手法を検討したようです。

その結果、毛髪からクレンブテロールを検出する手法を開発できたという報告でした。

なんと、投与終了後5ヶ月たっても、毛髪の先端部分を検査すれば、クレンブテロールを検出できるという驚きべき結果でした。さらに驚愕するのが、中国では都会の部類の上海で、60%以上の人がクレンブテロールに汚染されているという結果です。ドーピング対象のスポーツ選手は上海で外食する際はよくよく考えなければなりません。

ちなみに引用記事にクレンブテロールと共に記載されているラクトパミンという薬物。これもbetaアゴニストですので、WADA規定に違反するドーピング薬物です。
詳しくはnaverまとめにありましたので、どうぞご参照ください。
http://matome.naver.jp/odai/2133155248636951801

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